小桜町喫茶店

日常とか仕事とかプログラミングとか

仕事は引き受けるより断る方が重要

私はシステム開発会社に勤めているのだけれど、私の管轄範囲においては
受託開発は顧客とのやりとりが面倒なので、技術やマーケティングの実験が
できる場合を除いて全て断る ことにしている。*1
それにも関わらず、営業マンが仕事を持ってきた。

営業マン「こんな仕事がとれそうなんですが、そちらでできないですかね?」
私「○○(新人)さん、時間とれそう?」
新人「えー、いや、忙しいです」
私「スケジュールの調整が難しいですね。外注を使ってください」
営業マン「承知です」

30代に突入した今でも「自分が何をしたいのか」、
「自分にはどんな仕事が向いているのか」がはっきりとわからない。
だけれど「何をやりたくないか」ははっきりさせておいた方が良いと思う。
それは好き嫌いでもいいし、得意不得意で決めても良いのかもしれないが、
大事なのは「長期的に見て、自分の人生に意味があることかどうか」なので
はないだろうか。

・やらないよりやった方が良い
・やってもやらなくてもどっちでも良い
・やらなくてもいい
・やらなくちゃいけない

程度のことは全てやらない方針にした方が良い。

仕事でも今回のように目先の売上をあげたい営業部がくだらない仕事を
持ってきたりする。営業部はそれが仕事なので理解はするが、私自身、
そんなことに関わりたくないし、私より若い同僚が他人の点数稼ぎに時間を
とられるのは気の毒だ。

そんなことをしたら売上が上がらないじゃないかと思うかもしれないが、
そんなものは営業部が責任を取れば良いと割り切っている。
もし開発側の人間ががチマチマした売上をいちいち気にしなければならないのなら、
営業部など必要ない。
いや、営業がいなければ仕事がとれないじゃないかという反論があるかもしれないが、
それなら技術部が自ら営業をすれば良いのだ。営業部がある以上、しかるべき責任は
とってもらわないと困る。
そもそもどのような仕事を社員に行わせ、会社として組織資産を形成して
競争優位に導くかは経営戦略そのものだ。
くだらない仕事はきっぱりと断った方が、会社のためでもあるのだ。

中には「そんな利己的なことはダメ」という人もいるかもしれないが、私は
そのような発想の方が利己的だと思う。
どうも社畜精神がある人を観察するに、それは愛社や仲間意識から来ているのではなく 「自分はここまで頑張ったんだから、面倒みてくれよ」という発想が見え隠れしている。 表ではアピール目的で無意味な残業をしているくせに、裏で会社の愚痴を言っているのは、 たいてい、社畜精神に溢れる人々だ。

会社に個人を守る義務などはない。*2
ならば私たちも自分の身は自分で守るために仕事を選んで必要なスキルや経験を
身につけていかなければならない。経営視点をもったセルフスターター、まさに
求人情報なんかで会社が(綺麗ごとで)求める人材ではないだろうか。

まぁ、仕事を断るには、断れるだけの状況を作っていかないといけないのだけれど、
それこそサラリーマンの腕の見せ所だ。ビジネスにしろ組織内の立ち居振る舞いに
しろ、所詮はただのパワーゲームなので綺麗事を並べても意味がないのだ。

*1:受託のメリットは他人のカネで実験できるところくらいだ。

*2:それは国の仕事。