小桜町喫茶店

日常とか仕事とかプログラミングとか

理不尽さを受け流すことも大事

私はいわゆる現場レベルの営業活動をしたことがないのだけれど、
一般的な交渉の場がどんなものか体験しておいた方が良いと考え、
会社の営業マンに同行することにした。

間の悪いことに、クライアントがうちのサービスに対して文句を
言っており、その営業マンの上司が約束したことと話が違うという
ことだった。

その上司はクライアントの前で、「システム保守契約も料金に入っている」
と口頭で約束したのだけれど、いざ会社に帰ったら「そんな話はしていない」
と営業マンに言ったらしい。
営業マンはクライアントと上司の板挟みになり、その交渉の席に場違いな
私が同席してしまったのだ。

私は営業マンがいたたまれず、とりあえず私の責任の範囲内でクライアント
の要望を受けることにした。クライアントもなんとか納得してくれた。
その上司は社内でも「物忘れが激しい」ことで有名だ。後から営業マンに
確認しても、上司は確かに「約束」をしたとのことだった。
私は営業マンに同情したが、「これも仕事のうちです」と割り切っている
様子だった。

こういう精神的な割り切りはある場面においては重要だと思う。
専門職の人間は物事を論理的に、理路整然と考える傾向にある。
例えば技術者や経理、法務、人事のような専門職だった場合、
今回の件はその上司のように一部の人間が無責任な言動をしないように、
組織体制や制度の整備を考えるだろうし、それが正しいと思う。

だけれど、仕事や人生というのは、理不尽なことがたくさん起こるもので、
その度に真面目に考えていたら疲れてしまう。
もちろん何事も始めからあきらめていたら何の発展もないのだけれど、
理不尽さを受け流すことも時には重要だと思った。